現実の引渡し(現実の占有移転)
[か行]物に対する実力的な支配を、一方の甲から他方の乙に実際に移動させることをいう。
占有権の譲渡の基本的な方法であり、他の便宜的な方法、すなわち
・甲が所有し、乙またはその代理人丙が占有する物を甲から乙に売る場合のような「簡易の引渡し」、
・ 甲が所有占有する物を乙に売り、そのまま甲が占有している場合のような「占有改定」、
・甲が所有しその代理人丙が占有している物を乙に売り、そのまま丙に占有させる場合のような「指図による占有移転」の3つの方法に対するものである。
現実の引渡し方法は、引き渡す財産の種類、占有の態様によって異なり、動産の場合には場所的移動、不動産では利用とか管理が移されることによって行われる。