不動産用語

営業保証金の還付

[あ行]

宅建業者と宅地建物取引業に関する取引によって損害を被った消費者等が、業者に対し損害賠償請求権を持った場合、当該業者から直接賠償してもらうこともできるが、当該業者が供託した営業保証金から弁済を受けることも可能であり、これを営業保証金の還付という。
購入者等が営業保証金のい還付を受けて、営業保証金の額が所定の額よりも不足した場合、宅建業者は建設大臣からその旨の通知書の送付を受けた日から2週間以内に、不足額を供託しなければならない。

営業保証金の供託

[あ行]

営業保証金の供託は必要なとなるのは、宅地建物取引業を新たに営もうとするとき、支店等の事務所を新設するとき、営業保証金の還付により営業保証金が不足するとき、有価証券で供託している場合で、主たる事務所を移転したため最寄の供託所が変更したときである。
営業保証金は、金銭のほか建設省令で定める有価証券をもってあてることもでき、その額は主たる事務所が1,000万円、その他の事務所は事務所ごとに500万円として計算した金額の合計で、主たる事務所の最寄の供託所(法務局、地方法務局、支局および出張所)に供託する。
なお、宅地建物取引業保証協会の会員は営業保証金を供託する必要はないが、同協会に弁済業務保証金分担金の納付(主たる事務所につき60万円、その他の事務所につき事務所ごとに30万円)が必要となる。

営業保証金の取戻し

[あ行]

営業保証金を供託しておく必要がなくなったときは、供託してある営業保証金を取り戻すことができる。
これができるのは、免許が効力を失ったとき、免許を取り消されたとき、一部の事務所を廃止し営業保証金の額が所定の額を超えることとなったとき主たる事務所が移転し新たに供託しなければならないときである。
取戻しは、その理由が発生すれば直ちに可能となるのではなく、還付請求権を有する者に対して6ヶ月以上で定めた期間内に還付の申し出をするような広告することを要件とし、その期間内に申し出がなかった場合に取り戻すことができる。
ただし、営業保証金を取り戻すことができる事由が発生してから10年を経過したとき、及び主たる事務所の移転に伴う場合は広告の必要はない。
尚、金銭による供託分については、営業保証金を取り戻すことができる事由が発生してから10年を経過すると、時効により取戻しができなくなる。

営業保証金の保管替え

[あ行]

本店等の主たる事務所が移転し、最寄の供託所が変更となった場合に、移転後の主たる事務所の最寄の供託所に営業保証金を供託した後、従前の営業保証金を取り戻すこととなるが、このような手続きをせずに、従前の主たる事務所の最寄の供託所から移転後の最寄の供託所に営業保証金を送付してもらうことをいう。
この保管替えができるのは、営業保証金を金銭のみをもって供託している場合で、従前の供託所に所定の手続きにより保管替えの請求をしなければならない。
尚、金銭と有価証券または有価証券のみで供託している場合は、遅滞なく営業保証金を移転後の主たる事務所の最寄の供託所に供託したうえで、従前の供託所に供託してある営業保証金を取り戻すこととなる。この場合には、取戻しの公告をする必要はない。

永小作権

[あ行]

耕作または牧畜のため小作料を支払って他人の土地を使用する用益物権のことです。
日本の小作はほとんど賃貸借によるもので、永小作権は主として明治維新前からの新田開発地などにあるだけで、民法施行後のものはまれでしたが、民法施行前からの永小作権も昭和23年に消滅し、またその土地は第2次大戦後の農地改革により、原則として強制買収の対象となり、永小作人に売り渡されたため、現在ではほとんど存在しません。
なお、永小作権は物権ですので、特約のない限り地主の承認なしに譲渡、転貸でき、存続期間は20年以上50年、登記を対抗要件としますが、農地法により、永小作権の設定や移転、永小作料の額についての制限など修正されている部分が多いです。

液状化現象

[あ行]

緩く堆積した飽和砂質土層が、地震時のように排水を許されないほど急激な振動載荷を受けた時に、間隔水圧が蓄積され、土粒子間に作用する力(有効応力)が減少し、せん断力に対する抵抗力を失い、比重の大きな液体状を呈する現象をいいます。
液状化による被害は甚大で、重量構造物は沈下、倒壊し、軽量の地中埋設物は浮上します。
また、液状化にともなう噴砂などにより、間隔水圧が消散すると、大きな地盤沈下が生じます。液状化は粒径の揃った緩い飽和砂層で発生することが多いので、地盤改良によって対処する場合は「サンドコンパクションパイル工法」「グラベルドレイン工法」などのように、砂の密度を増加させ、間隔水圧の消散を促進させる工法が採用されます。