不動産用語

法定地上権

[は行]

不動産の競売が行われた場合に、法律によって設定されたとみなされる地上権をいう。
地上権は、本来契約によって設定されるのであるが、その例外である。同一所有者に属する土地、またはその上にある建物の一方について抵当権が設定され、それが実行された場合には、建物はその存立根拠を失ってしまうので、建物のために地上権が設定されたものとみなされるのである(民法388条)。
民事執行法81条も、強制競売について同様の定めをしている。
なお判例は、土地、建物の双方に抵当権が設定された場合にも、民法388条の類推適用を認めている(最判昭和37年9月4日民集16巻1854頁)。

保存登記

[は行]

狭義には不動産の先取特権の保存登記(不動産登記法1条)を指すとされているが、広義には、未登記の不動産について初めてなす所有権の登記も含まれる(同法100条)。所有権の保存登記は、
(1)登記簿の表題部に自己または相続人が所有者として記載される者
(2)判決により自己の所有権を証する者
(3)収用により所有権を取得した者
(4)区分所有建物(マンション)については、表題部に記載された所有者の証明書により、その所有権を取得したことを証する者が単独で申請することができる。
なお、先取特権にあっては、先取特権者と債務者との共同申請により行う(同法26条1項、115条、119条)。裁判所書記官から未登記の建物についての差押えの登記の嘱託があったようなときには、例外として職権で保存登記がなされる(同法104条)。

みなし道路

[ま行]

建基法42条2項に定められた道路なので、一般にこう呼ばれる。みなし道路ともいう。
幅員4m未満でも、1.8m以上あり、昭和25年11月23日以前(この日以降に都市計画区域に指定された区域内の場合は、指定の日の前日以前)から建物が立ち並んでいる道路で、特定行政庁が道路として指定したものは建基法上の道路とみなされ、道路の中心線から2m後退したところに道路境界線があるとみなされる。
ただし平成4年の法改正により、特定行政庁が指定する区域内においては原則として幅員6m以上が道路として取り扱われるが、この6m区域指定を受けた場合は、道路の中心線から3m(避難や通行の安全に支障がない場合2m)が道路境界線とみなされる。
また道路の片側が川や崖等の場合は、それらの境界線から4m後退したところが道路境界線とみなされる。
2項道路の広告に当たってはその旨を表示しなければならない。また、その結果、敷地面積が概ね2割以上減少することとなる場合は、その面積も表示しなければならない。

容積率

[や行]

建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合をいう。
建築物の規模とその地域の道路等の公共施設の整備状況とのバランスを確保すること等を目的として、都市計画区域内においては、用途地域の種別および前面道路の幅員により、その最高限度が制限されている(建基法52条)。
平成4年の都計法および建基法の改正により、誘導容積制度および容積の適正配分制度が導入され、良好な市街地形成を図るうえで、公共施設の整備状況に応じて、また、メリハリのきいた容積規制により土地の有効・高度利用を図っている。

ライフライン

[ら行]

人・モノ・情報・エネルギーなどを輸送する道路・鉄道・電話・流通・水道など、線や管で結ばれた日常生活に不可欠な施設。人間の生命を維持するために不可欠な血管や神経に相当するものとしてアメリカの地震工学者が名づけた造語。

ランドマーク

[ら行]

地域の目印となり、その地域を特徴づける重要な景観構成要素。山や樹木などの自然物、橋梁などの土木建築物、高いビルや塔などの建築物で周囲の物の中で、ひときわ目立ち覚えやすい特徴を有する。不動産開発において、新たにランドマークをつくり出すことは、地域のシンボルとしての公共性を付与し、集客性や話題性を高めるなどの効果がある。