不動産用語

価格査定

[か行]

宅建業者が売却の媒介依頼を受けた不動産に関し、専門家の立場から依頼者へ助言する合理的希望価格の形成のための成約見込価格を調査・算出することをいう。
業者は売買すべき価額について依頼者に意見を述べるときは必ず一定の標準的手法に従い、選択した取引事例を根拠として明示し、依頼を受けた不動産と比較検討して、客観性ある実際的な成約見込価格によらなければならない。
この手法が価格査定マニュアルである。要する費用は媒介の成功報酬に含まれる(宅建業法34条の2第2項)。宅建業者は、媒介の対象となる不動産の価額または評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない。
この意見の根拠となるのが(財)不動産流通近代化センターが作成した価格査定マニュアルである。このマニュアルには住宅地、木造住宅および中古マンションがあり、立地、環境、築後年数、仕上げ、間取等の多くの評価項目によって査定することとなっている。これを用いることにより、業者によって意見価額が大きく異なったり、依頼者の不満を招く事態を防ぐことができる。

価格時点

[か行]

鑑定評価の対象となる不動産の価格は、時の経過と共に変化するものですので、鑑定評価額を決定する基準となる年月日を設けなければなりません。これを価格時点といいます。
通常は鑑定評価を行っている現時点としますが、依頼内容によっては過去時点および将来時点もあり得ます。しかし、鑑定評価作業において必要な資料が得られないほど遠い過去時点、また予測の困難なほどの将来時点の価格時点は不動産鑑定士、不動産鑑定士補の自己の能力を超える業務となるおそれがあるので、設定してはならないこととなっています。また、鑑定評価によって求めるべき対象が賃料である場合、賃料の価格時点は、賃料の算定の期間の収益性を反映するものとして、その期間の期首となります。

価格の三面性

[か行]

不動産の価格は、一般にその不動産に対して認めらる効用、相対的稀少性、有効需要の三者の相関関係によって生ずる経済価値(交換価値)を貨幣額で表示したものである。その経済価値を判定するには、どれ程の費用を投じて造られるものか(費用性)、どれ程の値段で取引されるものか(市場性)、それを利用することによってどれ程の収益(便益)が得られるか(収益性)の3つの点を考慮する。
これが通常、価格の三面性といわれるもので、価格の判定も以上の3点から原価方式、比較方式、収益方式が適用される。

確定日付

[か行]

証書が作成された日付について法律上その日付の正確性を保障するもの。
公正証書などに必要とされる。たとえば、債権の譲渡などの場合、債権者から債務者に対しての通知には確定日付のある証書でなければ、債務者または第三者に対してその譲渡の有効性に対して主張できない。

笠木(かさぎ)

[か行]

一般に塀、手摺(てすり)などの上部材、塀などの一番上の出っ張った部分をさす。
鉄筋コンクリート造陸屋根の建物においては屋上のパラペットの上に付いている笠の部分をいい、立上り防水層の末端部を保護する役目がある。材質によってコンクリート製のものと金属製のものとに大別できる。この笠木に変形や取付部のシール切れ、笠木コンクリートのひび割れ等が発生すると、雨漏りの原因となる。

瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)

[か行]

売買の目的物に隠れた瑕疵があったとき、売主が買主に対して負う責任をいう(民法570条)。
「売主の担保責任」の一形態である。瑕疵とは、建物にシロアリがついていたとか、土地が都市計画街路に指定されていたことなどをいう。
買主は、善意無過失である限り、契約時にわからなかった瑕疵のために損害を受けたときは、売主に対して賠償請求をすることができる。
また瑕疵のため契約の目的を遂げることができない場合には、契約を解除することができる(同法566条1項)。ただしこれらは、買主が瑕疵を知ったときから1年内にしなければならない(同法570条、566条3項)。また強制競売で物を買った(競落した)場合には、買主にこれらの権利は与えられない(同法570条但書)。