不動産用語

開発協議

[か行]

開発行為を行う事業主体が都計法等の法令と開発指導要綱の趣旨に従い、所轄地方自治体行政当局の許認可を取得し、利害関係者の同意を取り付けるための事前協議、届出、報告、連絡、調整をいう。
協議事項は事業区域内と外周接続部分の公共施設(道路、水路、下水道、公園緑地、広場等)であるが、開発面積が20ヘクタール以上では義務教育施設管理者、水道供給事業者と、さらに40ヘクタール以上では、電気・ガス供給事業者、JR・私鉄等交通事業者とも協議する必要がある。開発指導要綱では各種の公益利便私設、日照、電波障害、消防、清掃、街路灯、駐車場等の一般事項と、工事施工に対する近隣住民の同意、災害補償、完成宅地住宅の優先販売等の付帯事項がある。

開発許可

[か行]

都市計画区域内で一定面積以上の開発行為を行おうという者に知事または政令指定都市の長が与える許可のこと。
市化の進展に対しスプロール化の弊害を防止し、都市の健全な発展と秩序ある整備を目的として開発行為を許可制としているものである。
具体的には、市街化区域および市街化調整区域に関する都市計画が定められた都市計画区域内で、一定面積以上の開発行為を行おうとする者に、知事または政令指定都市の長が与える許可をいう(都計法29条)。
許可を必要とする面積は政令で原則として1,000平米以上とされているが、三大都市圏の一定の地域については500平米以上とされている。
また、都道府県の規制により区域を限って300平米までの範囲で別に定めることができるものとされている。また、当該都市計画が定められていない都市計画区域においても3,000平米以上の開発行為を行う場合は同様にこれが必要である。
市街化区域内での原則として1,000平米未満の開発行為、都市計画が定められていない都市計画区域内での農林水産業の用に供する建築物と、これらを営む者の住宅建設、駅舎等の鉄道施設・医療施設等公益目的のもの、国や地方公共団体の行うもの、都市計画事業・土地区画整理事業・市街地再開発事業・住宅街区整備事業・竣工告示前の埋立地開発・災害時の応急事業・通常の管理行為や軽微な仮設行為は許可を要しない。

開発計画

[か行]

分譲地等、宅地の開発行為を実施するためのプラン全体のこと。
開発手法や事業スケジュールなど、多岐にわたる開発目標を設定する。候補地の選定をはじめ、事業収支計画では、用地取得費、工事費、販売予定価格のほか、開発から販売までの期間にかかる金利の算出なども含まれる。

開発行為

[か行]

都市計画上の用語で、主として建築物の建築または特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更をいいます。
都市計画区域内で開発行為をしようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければなりません。(開発許可)特定工作物とは、コンクリートプラントなど周辺の環境の悪化をもたらす恐れのある工作物(第1種特定工作物)またはゴルフ場などの大規模な工作物(第2種特定工作物)をいいます。
土地の区画形質の変更とは、造成工事の施工、道路の築造などにより、土地に対して物理的に区画上または形質上の変更を加えることをいいます。したがって、登記上の分合筆は、開発行為ではありません。また、建築物の建築と一体となった基礎打ち、土地の掘削等は、開発行為ではありませんので、すでに建築物の敷地に利用されている土地において、建築物を建て替える場合は、土地の区画を変更しない限り、開発行為にはあたりません。
建築物の建築または特定工作物の建設を目的としないものも開発行為にはあたりません。たとえば、農地造成、スキー場、キャンプ場などの造成です。開発行為の行われる土地の区域を開発区域といいます。

開発指導要綱

[か行]

開発行為や土地区画整理事業等の対象区域を所轄する地方公共団体が、主として許認可申請時の協議同意の段階で、全事業の目的とする土地の区画・形質の変更に関し、既存の公共施設の廃止・用途変更や将来移管を受ける公共施設に対する管理者の立場から行う必要な行政指導の基準をいう。
法令上に根拠を有するものではないが、環境保護の要請と行政水準向上を背景とする地方自治意識の定着によって、都計法に定める開発許可基準や一般受益者負担原則を超えるような過大負担の要求になりやすく、事業主体にとって調整協議の長期化と事業計画圧迫の一因となっている。指導の対象事項は義務教育施設・幼稚園・保育所・役場・出張所等の建築・用地提供、地区外の上下水道施設・河川改修、汚染処理場設置、都市計画道路築造・用地提供等がある。

回復登記

[か行]

消滅および抹消された登記を回復するための登記のこと。
滅失回復登記と抹消回復登記の2種がある。滅失回復登記とは、登記簿の一部または全部が火災などで焼失、または紛失した場合に行われる登記のこと。登記権利証の単独申請で可能。
抹消回復登記とは、不適法に抹消させられた登記を回復するもの。利害関係が生じるものがあればその者の承諾書、またはこれに対抗しうる裁判の謄本を要する。ただし、回復した抹消登記をさらに抹消することは認められない。