不動産用語

解除条件

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将来不確定な事実が発生することによって、契約等法律行為の効果が消滅する場合の、不確定な事実をいう(民法127条2項)。
反対に、契約等の効果の発生が不確定な事実にかかっている場合を停止条件という(同法127条1項)。売買契約を締結し、転勤になったらこの契約を失効させるという条項を入れるような場合、解除条件付売買契約という。条件を付けるかどうかは当事者の自由であるが、婚姻、養子縁組、相続の承認、放棄、手形の裏書(手形法12条1項参照)などについては、不安定な法律関係を続けることは相当でないから条件は付けられない。
相殺も、相手方を不安定にするから同様である(民法506条参照)。

買付証明書

[か行]

購入希望者が、売主または仲介者にあてて、不動産を購入する意思がある旨を表明する書面のこと。購入希望者は自由にこれを撤回できる。

買取請求制度(国土利用計画法)

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国土法12条の規定に基づいて知事の指定した規制区域において、土地に関する権利(所有権・地上権・賃借権)の移転等が不許可になった場合、当該権利を有するものが都道府県知事に対し、当該権利を買い取るべきことを請求することができる制度のこと。
知事はこの買取請求があった場合、規制区域指定時の当該権利の相当な価格に、当該請求の時までの物価の変動に応ずる修正率を乗じた額(知事が認定した宅地造成費を含む)をもって買い取る。
買取価額が時価でない点が、都計法の買取請求の場合と異なる。

買取請求制度(都市計画法)

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都市計画事業の各段階において、土地の所有者について認められている土地の買取請求制度のこと。
市街地開発事業等予定区域内においては、施行予定者に対し、その土地を買い取るべきことを請求できる。
また、事業予定地内において、建築物の建築が許可されないときは、その土地の利用に著しい支障をきたすこととなることを理由として知事等に対して、当該土地を買い取るべき旨の申し出をすることができる。更に事業地内の土地で、土地収用法による収用手続きが留保されているものについては、施行主に対して、買い取るべきことを請求できる。
これらの買取価格は、いずれも時価とされている。

買取仲介

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本来は媒介あるいは代理の仲介形態であるのに、不動産業者が所有者からいったんその物件を購入(買取)し、それを購入希望者に売却する形式をとった仲介形態をいいます。
所有権は所有者から不動産業者、不動産業者から購入希望者へと移転されますが、所有権移転登記は所有者から直接購入希望者へとなされ、中間省略登記が行われるのが一般的です。
資金調達、危険負担、リフォーム等の対策から、単純媒介によらずにこの形式がとられるケースがあります。

買取保証

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個人所有住宅の買換えや至急換金等、売主の事情によって不動産売却と資金調達が連動し、かつ時間的制約がある場合、不特定買主との合意による売買契約成立のみに期待することは売主にとって危険なので、売主の不安を除き危険負担を分散するため、一定媒介期間経過後に希望価格での成約に至らないときは、媒介業者が査定価格から公租公課と必要経費を減じた価格で買い取ることを約束することがある。これを買取保証という。
実務上は新規物件販売のための下取り物件処理や買取り転売の手法として用いられる。
この場合の査定価格は業者の転売危険負担を見込むので、通常の媒介の査定よりその分だけ下回る。